ほげったけど一歩前進

失敗を恐れず行動し、失敗から学び、昨日より一歩前進

不確実な時代だから、まず食うことを「ちゃんと」しよう

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まず「健康的な食事」から。と言っても特別じゃない、「健康的で、値段が安くて、超かんたんで、そして食べやすい」料理を自分でつくろう。

 「佐々木俊尚著、家めしこそ最高のごちそうである」を読んでの刺さったこと。

この本は決していわゆるグルメ本ではありません。乱暴ですが、一言で言えば

「先の見えないない、拠り所がない不確実な時代だけど、まずは、日々の食事をきちんとしたものにして、そこからちゃんとした生活を構築していこうよ」

ということに尽きます。

不確実な時代に

不確実な時代と食事がどう結びつくのか? 著者はこんなふうに書いています。

 

だからいまやただひとつ確実なのは、「世の中は不確実で何も予測できない」という真実だけ、というすごい状況なんです。

不確実であることに対処するためには、どうすればよいでしょう。人生の機動力を高め、勤め先の会社に頼りきることなく、身軽にすいすいと渡っていけるようにすること。

 

身の回りのものを減らして、急に家賃が払えなくなったりしても、いつでもどこにでも引っ越して、生活を続けられるようにすること。

 

生活をシンプルにして、余計なものをたくさん背負わないこと。背負えば背負うだけ、機動力は乏しくなって、不確実な時代に対応できなくなっちゃうからです。

 

でもそれは、生活を投げ出してしまうということではありません。余計なものを背負わないんだ、といってキッチンの鍋やフライパンを全部捨てて、コンビニのお弁当だけを毎日食べていれば、確かに持ち物はさらにすくなくなりますね。

 

もちろん、そうではありません。

 

モノは極限まで減らし、生活をシンプルにしていく中で、でも「私たちはどうやって生活を楽しんでいくのか」というライフスタイルについてだけは、ちゃんと構築していくべきだと思うんですよ。

 

 不確実な時代だから、生活の機動性を上げる、できるだけシンプルにしていく。そんな生活をちゃんと楽しんでいけるようなライフスタイルが必要だと。

で、そのライフスタイルの中で基礎になるのが、「じぶんでつくるちゃんとした食事」による健康的な生活だと書いています。

「ちゃんとした食事」は健康的な食事

ここでいう「ちゃんとした食事」とは、いわゆる「高価」な「グルメ」的な食事とは全く違いますし、有機栽培の野菜などにこだわったものとも違います。

それは旬の食材(安価でおいしい)を素材のもつ味(化学調味料やうまみ調味料で過剰に味付けせず)で、おいしくいただくような料理を言っています。

著者は化学調味料やうまみ調味料そのものに反対なのではなく、これらの調味料はいわゆる「うまみ」で素材自身の味がわからなくなってしまい、結果として料理が濃い味付けになってしまい、素材の美味しさがわからなくなってしまいまうので、使わない方がよいと書いています。

そして、旬のものということで献立を考えると、野菜を中心とした食事になり、そこに足す形で、肉や魚が加えられるということになります。

これは、肉や魚が中心となる献立に比べて、脂質を摂り過ぎ防止につながります。

また、化学調味料を使わないので、味付けが濃くなりすぎず、結果として食べ過ぎることもなくなるわけです。

つまり旬の野菜中心で化学調味料を使わない料理は、健康的なものになるというわけです。

自分の経験からも納得

これには筆者も強く納得です。というのも、筆者自身も子供の頃から「味の素」や「ほんだし」に代表される化学調味料に慣れきってしまっていて、40代の頃までは「野菜の素材の味」なんてものはあまりよくわかりませんでした。

だた、ここ10年くらいは、化学調味料をできるだけ使わないようにしてきたのですが、そうしたら、2-3年くらい前から、野菜に特別味付けをしなくても、なんとなく「うまみ」を感じられるようになってきた気がします。

もちろん、野菜は、そのときの旬のものでないと、あまりおいしさは感じませんけど。

で、そういうふうな味感覚になると、野菜そのものの味で食べることができますので、過剰に白米を食べたりしないんですよね。

味が濃いときは、それを中和するような感覚で白米とかいっぱい食べてしまいますね。つまり、味が濃いと糖分を多くとることにつながります。

また、味の濃いものに慣れてしまうと、脂質が少ないものにも物足りなさも感じてしまい、結果として、脂質も多く取らないと満足しなくなります。

結果として、糖分や脂質のとりすぎにつながっていってしまうというわけなんです。

筆者自身は、味の薄いものに慣れたら、白米よりも野菜そのものを多く食べるようになってしまいましたし、もちろん、脂質も体が欲しがりますが、以前ほどではなくなりました。それは、年齢のせいだけではないと思っています。

明日からできる健康的な食生活

あたりまえなんですが、結局、健康がいろいなことのベースラインですよね。ここがうまくいかないと、何をするにも大変になってしまいますし、つまり、機動力が低下してしまうわけです。

でも、そのためには、まず食うことをちゃんとしなければいけないわけですが、それは、何も特別高い食材や有機野菜などを食べる必要はないと言っているんですよね。

繰り返しますが、安価でおいしい旬の野菜をベースに献立を考えて、自分で調理する。そんなに凝る必要はなくて、手間暇をかけず、つくる。

この本には、そのための段取りや作り方、具体的なレシピが多く掲載されていて、とても参考になります。

旬のおいしくて安い食材を使って、ぜいたくではないけど、ちゃんとしたおいしい食事を自分でつくりたい。そう思っても、手間がかかりそうで、一歩を踏み出せない。そんなひとの背中を押してくれるものだと思います。

「ああ! こうすれば、思ったよりもラクにつくれそうだな」とか「このレシピなら安くてうまそうだな」とか、特別なものではないけれど、食欲を刺激するレシピが多く紹介されているので、参考にしてみてはどうかなと。