ほげったけど一歩前進

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自分や身近な人が重篤な病気になったときに納得のいく医療を受けるためのポイント

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自分自身や身近な人が重篤な病気だとわかったとき、治療方針は納得して決めたい。そんな時にどうやって情報収集するか、その情報ソースについての覚書。

背景 

以前、家族が重篤な病気にかかり、その治療をどうするか、かなり悩んだことがありました。

主治医を信用していないわけではないし、医師からも十分時間をかけて説明を受けました。

しかし、「他にもっと良い治療法があるのでないか?」という疑問は常にあり、自分自身や本人が納得するためにネットで検索しまくったりしました。

行動経済学の理論から、「人は自分に都合の良い情報はバイアスをかけて、必要以上に信用してしまう傾向がある」などと聞いたりしていたので、自分の探していた情報が見つかっても、「この情報信用して良いのだろうか?」と更に疑問が増していき、最終的には、却って混乱した状態になってしまいました。

医師に質問をぶつける

混乱した状況で、筆者がとったのは、自分が得た知識、そこからあらたに生じた疑問を医師にぶつけて、納得いくまで医師の説明を受けることでした。

幸い、そのときの主治医は、時間を惜しまず筆者の疑問にきちんと応えてくれましたし、最新の医療情報でも「わからない」ことについては、「わからない」と教えてくれたので、十分納得感を持って、治療方針を決めることができました。

医師との良好な関係

「先生、ネットでこんな情報があるんですけど」的な話を出して、疑問点を質問すること自体は悪いことではないと思います。
ただ、医者も人間ですから、不信感をあらわにした聞き方をすれば、そりゃ面白くはないですよね。

治療方針について質問するためには、自分の経験からは以下の点が重要だと思います。

  1. これまで医師から説明を受けた内容、病気状況や治療方針案については、十分理解できている。
  2. そのためには、医師から説明を受ける際に、メモなどをしっかりとり、要点を整理しておく。
  3. その要点を、自分の言葉や絵でまとめて、自分の理解が合っていることを医師に確認する
  4. その際、自分が聞きたいことをメモにまとめて要領良く聞くこと。医師の時間を尊重するために最大限の努力を払うこと。

こういう態度でコミュニケーションをしっかり行なって、医師との間に良好な関係を築いておくことがまず重要です。

患者の納得を尊重しない医師はクソ

大学病院や地方の地域医療の拠点となっている大病院では、まずそんなことはないですが、ときどき、患者が納得出来るような説明をしかっかりできない医師がいます。

それが医師として姿勢の問題なのか、専門知識不足で答えられないのか、患者とのコミュニケーションスキルの問題なのかわかりませんが、そんな医師はクソです。

我慢する必要はまったくないので、病院を変えるべきです。

地方の個人病院とかだとこういう医師が時々います。いわゆる「オレ様医師」です。
「オレが全て分かっているから、まかしておけ!」と言うタイプです。アナタがこの医師を信頼していて、「何が起きても先生が決めたことなら」と思えるのならば、否定はしませんが、筆者の経験では、こういうタイプの医師は勉強不足が場合が多いようです。

納得する医療を選択するための情報ソース

医師と良好な関係を前提とした上で、医師に自分の疑問をぶつけ、納得のいく医療を受けるための情報ソースです。
(AERA '15.3.23 NO12の記事より一部引用しています) 

1. 医薬品や医療機器の情報

www.pmda.go.jp

医薬品や医療機器のに関する情報を掲載しています。

薬の名前で検索すると、薬の基本的な情報が一般人(医療関係者でない人)にもわかるような用語で書かれています。

また薬やワクチンの副作用や回収情報についても最新の情報が掲載されています。

2. 診療ガイドライン

Minds医療情報サービス

公益財団法人 日本医療機能評価機構厚生労働省の委託を受けて運営する診療ガイドラインの情報サイトです。

Minds医療サービスには診療ガイドラインについて以下のように書かれています。

 

診療ガイドラインは、科学的根拠に基づき、系統的な手法により作成された推奨を含む文書です。患者と医療者を支援する目的で作成されており、臨床現場における意思決定の際に、判断材料の一つとして利用することができます。

診療ガイドラインは、医療者の経験を否定するものではありません。またガイドラインに示されるのは一般的な診療方法であるため、必ずしも個々の患者の状況に当てはまるとは限りません。使用にあたっては、上記の点を十分に注意してください。臨床現場においての最終的な判断は、主治医が患者と協働して行わなければならないことをご理解ください。

医療情報サービス事業Minds(マインズ)では、日本で公開された診療ガイドラインを収集し、評価選定の上、Mindsホームページ上に順次掲載しています。また、一般向けの解説等、診療ガイドライン関連情報の提供も行っています。是非、ご活用ください。

 

 重要なことは、このガイドラインが絶対というわけではないことです。引用にも書かれているとおり、最終的な判断は主治医と患者が協働して行うものなんです。

3.がん情報サービス

ganjoho.jp

独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター」が運営。
一般向けと医師向けがあり、「それぞれのがん」について、部位、臓器別にがんについての説明がある。

がんと診断される前でも、早期発見のための予備知識として「それぞれのがん」について理解しておくと良いのではと思います。

また、がん診療拠点病院の検索などもできるので、自分の住んでいる地位域でがん診療を受ける場合にも役立ちます。

4.米国の医学教科書

賢く決断。優れたケア。 | UpToDate

米国の代表的なオンライン医学教科書。日本の医師にも使われている。オンライン版なので、頻繁に最新情報に更新されるのがメリット。

トップページの「UpToDateを試す」の検索窓に検索したい単語を日本語で入力すると、英文の見出しが表示される。

英語でも最新の情報を調べたいという人には役に立つ。

納得する医療には自分の努力と医師との協働が必要

筆者の考えかたは、医療はサービス業だと思ってます。なので、納得したサービスを受けるためには、夫々のサービスの内容をきちんと理解して選択していくための努力が必要だと思います。

で、その努力は「どれだけ情報を集められるか」による部分が大きいので、インターネット以降の時代には、努力にかけなければいけないコストは大幅に下がったと思います。

ただ、全ての情報がインターネットだけで集められるわけではないし、集めた情報を全て、専門家でない筆者たちが理解できるわけでもありません。

集めた情報を解釈して疑問を解くためには、医師との協働が必要です。そして、その大前提として、医師との良好な関係がないと、すべてがはじまらないことを忘れてはならないと思います。