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株式投資にも役立つ、ハイプサイクルで知る正しい最新テクノロジートレンド

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ハイプサイクルというレポートがある。話題の最新技術が本当に実用化されるか?それとも単にバズっているだけなのか?そんな疑問を持っている人には大いに参考になるはず。

 ガートナーという会社が毎年公表しているテクノロジートレンドのレポートにハイプサイクルというものがある。話題の最新テクノロジーが、今どのような段階にあるかを示して、そのテクノロジーの成熟度、実用度等を示したグラフだ。ガートナーは世界的なテクノロジーマーケッティング会社で、20年前からこのレポートを作成している。これはテクノロジーマーケッティングの仕事に関わっている人なら皆参考にしているレポートだ。


Gartner's 2014 Hype Cycle for Emerging Technologies Maps the Journey to Digital Business

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(出典:米ガートナー)
上の図はガートナーが2014年版として、昨年の7月に公表したハイプサイクルだ。テクノロジーをその成熟度により以下の5つの段階に分けている。

Techonlogy Trigger

今がまさに伸び盛りの最新のテクノロジーと判断されたもの。いわゆる「バズって居るテクノロジー」という言い方が正しいいかも。2014年版では、自動運転車やスマートロボット、ホームネットワーク、量子コンピュータ、仮想個人秘書等がこの段階にあるとされている。

Peak of Inflated Expectations

期待のピーク。つまり話題が先行して、今の最新トレンドのように思われているが、まだまだ話題先行で、実用になるのは、これからという段階のもの。
ここには、毎日見かける"IoT(Internet of Things:モノのインターネット)やウエラブルインターフェース、消費者向け3Dプリンティング等が位置している。つまり、これらの毎日TVや雑誌、Webで見かけるテクノロジー群は、まだまだ話題先行というようだ。

Trough of Disillusionment

幻滅期と訳すのが適切かな。これは、過度に期待された時期を過ぎて、一旦みんなが「なーんだ、うまくいかないなあ」なんて思う時期。しかし、後にメガトレンドとなっていくテクノロジーはほとんど例外なくこの時期を経験する。

例えば、Big Dataはちょうど今この時期に差し掛かっているようだ。これは、乗り遅れないように始めてみたものの、使いこなすのが簡単ではないことが分かり、皆、悩んでいるということだろう。
この時期に将来に向けて継続して取り組んだ企業と、流行りで始めてみたものの諦めてしまう企業が分かれる時期でもある。

Slope of Enlightenment

普及に向けての始まり段階。飛行機に例えると離陸中。つまり、流行りで皆が飛びつく時期を過ぎて、本格的な普及に向けて段階。技術的なものがほぼ確立して、実用に向けてコストや使いやすさに焦点が移りつつある段階かな。現在、この段階あるのは、企業向け3Dプリンティングや3Dスキャ―等、価格的にはまだちょっと不満はあるけど、背伸びすれば、手に入るという段階のもの。

Plateau of Productivity

安定期。いわゆる普及した段階。Speech Recognition(音声認識)がこの段階にある。AppleのSiriやGoogleのVoice Searchを使ったことがある人なら、この内容に納得出来るね。

普及までどのくらいかかる? 

この図には各テクノロジーの普及までの時間も予測されている。図の左下にPlateau will be reached in書かれたとこにプロットされた点の色で普及までの時間を示している。

この情報をどう使うか

 メディアはInnovation of Triggerの時期にあるものを「明日にも使える」ような報道をする傾向がある。しかし、実際はまだまだ時間がかかるのが実態である場合が多い。メディアに惑わされず、世の中の動きを少しでも正確に把握して惑わされないためにも、こういった情報を知っていて損はないと思う。
Innovation Triggerの時期に「うちも取り組んでいます」と言っていると、それをネタに株価が上がったりするケースも多いようだ。
しかし、そのテクノロジーできちんと利益を上がられるのは、Trough of Disillusionmentの時期に諦めずに、Slope of Enlightenmentの時期を経てPrateau of Productivityの時期まで展開させた一部の企業のみとなる。
株式投資等の場面において、企業が自慢気に取り組んでいるテクノロジーが、今どういう段階で将来どうなっていくものなのかを考えたりする時に、参考になるのではないだろうか。