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iPhone A8プロセッサを製造するTSMCが会社ロゴマークに込めた野望

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(出典:TSMC - Wikipedia, the free encyclopedia)

iPhone6に使われているA8チップ。今やちょっとしたガジェットマニアならTSMCの名前は知っている時代になった。この会社のロゴマークにはTSMCの野望が隠されている。それは「俺達は世界の頂点である」ということだ。

 台湾のファンドリー(半導体受託製造専業会社)TSMC半導体業界ではもう10年以上も前から有名だ。しかし電子部品の受託製造専業会社なので基本的には半導体業界では有名でも、一般の人々がその名前を口にすることはほとんどなかった。
しかし、iPhoneのA8チップ=プロセッサ=全体の動作をコントロールする中核部品の製造メーカーとしてAppleが選んでからは、その名前をビジネス雑誌はもとよりiPhoneの話題を掲載するファッション雑誌でも目にするようになっきた。

筆者以前、台湾のTSMC本社を訪れたことがりますよ。そこでTSMCの中の人や台湾の半導体、電子部品業界の人から聞いた話だ。この会社のロゴマークに込められた野望だ。

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TSMCは世界の頂点

ロゴマークを良くみて欲しい。TSMCではなく小文字のtsmcと書いてある。
なぜロゴマークはTSMCではなくtsmcなのか?
TSMCは会社の正式名称は、Taiwan Manufacturing Semiconductor Companyだ。略してTSMC。彼らの会社のWebサイトも「TSMC」いう文字が一杯だ。

Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited

このサイト内には会社のロゴマーク以外は全て大文字で、小文字の「tsmc」は見当たらない。この小文字の「tsmc」に意味がある。

野望は最初の「t」に込められている。それは「頭ひとつ抜きに出る」。そうTSMCは世界のTopでなければならないということ。

筆者がTSMCと仕事をした2000年代のはじめ頃、TSMCファンドリー専業としては既に規模や売上ではNO1であったが、今のように圧倒的なNO1というわけではなかった。日本の大手家電の半導体事業と比べると、まだまだという部分も多かった。
2001-2002年のITバブル崩壊時は苦しんでいたし、2000年代前半はまだ日本メーカが技術力でも優っている場面が多かった。
しかし、2000年代後半、液晶TVや半導体で日本の大手家電メーカーが弱くなっていくあたりから、米国、台湾、中国の顧客のビジネスが競争力を増すのと同時に圧倒的に強くなっていくのを目の当たりにした。
もちろん日本メーカの経営的に残念な部分もあるのだが、それにしても快進撃は圧倒的だ。

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はじめから世界の頂点を目指す

TSMCはまだ世界の頂点がとても手が届きそうもないときから、会社のロゴにその野望を込めて進んできた。言うだけなら簡単なことだ。しかしTSMCは10年単位の時間をかけてそれを実現してきた。そして今尚続けている。

筆者のこのポンコツブログも世界を語るにはチャンチャラ可笑しい現状ではあるが、やるからには世界を目指す気持ちで精進していこうと思う。不可能と思ってしまえばもうその先はない。
もちろんその前に1ヶ月先、3ヶ月先、6ヶ月先、1年先にはこうありたいという現実的な目標がある。それをひとつづつクリアしていくことが大事だ。

台湾はおもしろい

台湾の会社には、TSMCのロゴのように公式には発表していないがこんな意味があるというものが多い。都市伝説かもしれないけど。
例えば、TSMCと同じ半導体業界で後工程の会社にKYECという会社がある。英語名はKing Yuan Electronic Companyだ。
中国語表記だと京元電子。この「京元」だが、中国語の意味だと「京」は数字の単位である千、万、億、兆の上の桁の「京」。転じて「すごく大きい数字」という意味だ。
「元」は中国のお金の単位「元」である。
この意味を合わせると「大金持ち」となり、この会社の目指しているのは、金儲けだけか?と推測されてしまう。まあそんなことはないだろうが、これは筆者の周りでは時々話題になる。

筆者は本当の意味を知らない。多分何か良い意味があるのだろう。しかし、このように台湾の会社には、その名前やロゴに都市伝説的な意味があるものが多い。
やはり台湾はおもしろい国だ。また機会があれば記事にしたい。

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